四日目、曇り。 今日はこの旅の一番の目的地、肥薩線です。肥薩線は八代から人吉、吉松を経て、隼人に至ります。 このうち、八代-人吉間は、球磨川沿いを走るため、通称川線、人吉-吉松間は、急峻な山越えになっていて山線と呼ばれています。肥薩線には川線に四駅、山線に三駅、ほかにもう一駅の計八駅の秘境駅とされている駅があります。いうなれば秘境駅銀座のような路線です。とても一日では周りきれません。今日はこのうち山線をめぐり、隼人に至ります。
山線は人吉、吉松を除けば3駅で、すべてが秘境駅扱いとなっています。人吉より順に
大畑(おこば)駅、
矢岳(やたけ)駅、
真幸(まさき)駅ですが、矢岳が最高地点で、急勾配のため大畑と真幸はスイッチバック駅となっています。特に人吉-矢岳間は430mもの標高差があり、あまりの急坂のため、間にある山をぐるりと回るように線路を敷設して勾配を緩くしているのですが、それだけではたりず、そのループの途中にスイッチバックを設けました。そしてそのスイッチバックのところに設置されたのが大畑駅です。日本で唯一、ループ中にあるスイッチバック駅です。また真幸駅も矢岳とは160mくらいの標高差がありスイッチバック駅になっています。
この3駅を人吉-真幸-大畑-矢岳-吉松という順で回ります。上り、下りを交互に乗るわけです。なぜかというえばこうすることにより、よりスイッチバックを楽しめるというわけです。
八代
5:49-7:10
人吉
7:18-8:08
真幸
9:17-9:50
大畑
13:36-14:07
矢岳
17:47-18:09
吉松
18:27-19:21
隼人
ということになりました。移動距離はたったの130キロ程度です。
真幸駅。朝8:08に着いたわけですが、写真を撮っていると、軽トラのおじさんが大根を運んできて駅の横の棚におき、去っていきました。その後、次々と近隣の方が来て、地場品を並べていました。
一段落したあたりで、お茶をいただきました。{w}ご馳走様でした。
駅内です。写真や案内が展示されています。
このときはまだ、時間が早く開けてなかったのですが、旧駅員室の方も展示室になっていました。
真幸駅は駅名から、真の幸福になるということで人気が高いそうですが、ホームには
「幸せの鐘」というものが存在します。もともとは駅員さんがいた時代に安全運行を願って鳴らしたものだそうですが、現在は自分の幸せの度合いに応じて、1-3回のどれかを鳴らすのだそうであります。(棒読)
こんな絵馬までありました。(w)
この駅はすでに秘境駅ではなく、観光駅となっていました。
私的には残念でありますが、地元の方々からすれば駅を通した村おこしであったり、”はりあい”であったりするのでしょう。
大畑駅です。おおはたと書いて
おこば。難読駅のひとつですね。
こちらの駅も地産品を売る出店(?)があります。
実は私も買いました。この駅には約3時間半ほどいたのですが、ずっといた客は私だけでした。たいへん親切にしていただき、皆さんと一緒におにぎりなどをいただいてしましました。お世話になりました。
駅舎内には、名刺がこのように張りまくられています。ここに名刺を張ると出世する・・・らしい。実は聞く所によりますと、平成4年ころに、ここを訪れた鉄道マニアが張っていったのが最初だとか。その人が出世したかどうかは、定かでありません。
大畑駅のスイッチバックの様子が見られる、絶景スポットです。駅にいたおじさんが、軽トラで乗せてきてくれました。気車(ジーゼル車なのでこう表記しておきます)の右奥が大畑駅になります。今、気車が駅を出てまっすぐ左に進み停止、その後運転手さんが反対側の運転席にうつり、向きをかえて上方へ大きく左カーブしている線路に進みます。この方向が矢岳方向です。写真下方から斜め右に上がってきている線路が人吉から来て大畑駅に入る線路です。
矢岳駅、正面入り口です。しぶいです。
線路側から撮ってみました。
改札から入り口を見る。
待合室。簡素にして昔のまま。
矢岳駅には駅のすぐそば、数十mほど離れたところに、蒸気機関車D51が展示されています。D51の写真はめずらしくないでしょうから、あえて載せません。
この駅を離れるころにはだいぶ暗くなり、寒くなっていました。本日の宿は隼人のビジネスホテル。
隼人は小さい町なので宿泊どころはここしか見つかりませんでした。「ステーションホテル隼人」です。
家族経営的で、ちょっと古いですが、私的には好きです。ちゃんとネット回線もついていました。
3990円。いいですね。